導入事例

『所沢市税系システム』の更新に係る業務

自治体紹介

所沢市は、首都東京から30キロ圏内にあり、武蔵野台地のほぼ中央、東京都多摩北部に接する埼玉県南西部に位置しています。狭山丘陵付近に源を発する柳瀬川、東川などが流れています。気候は概ね温暖で、冬は北西からの季節風が吹きます。所沢市内には、鎌倉時代の末期に、新田義貞の軍勢と鎌倉幕府軍が戦った古戦場があり、江戸時代には三富開拓地割が柳沢吉保によって作られました。明治44年には、我が国ではじめて飛行場がつくられ、日本の航空発祥の地となっています。
昭和25年、埼玉県で8番目に市制を施行しましたが、当時は人口4万2千人余りの、茶園や畑の広がる農業中心のまちでした。その後、首都東京に近く交通の利便性や優れた自然環境などから人口が増加し、現在では人口34万人を超える埼玉県南西部の中心都市として発展しています。市の中央部には、所沢飛行場が米軍通信基地として利用されている地域がありますが、返還運動により今ではその約7割が返還され、跡地には、3つのホールを備えた市民文化センターミューズ、面積50.2ヘクタールの所沢航空記念公園、市役所、世界有数の規模を誇る市民体育館、国県等の施設が整備され、本市の中心的な役割を担う地域となっており、また中心市街地では再開発が行われ、商業・産業の活性化など、更なる発展が期待されています。(所沢市ホームページより抜粋)

所沢市ホームページ : https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/index.html

所沢市シンボルマーク 所沢市のマスコット「トコろん」

事業概要

所沢市様では、長年のホストコンピュータによる自庁開発システム利用から、パッケージシステム利用に向けたオープン化を進められてきました。
基幹系システム最適化計画の中で、住記、介護、福祉の各システムをオープン化し、最後に税系システムのオープン化となりました。税系システムのオープン化は平成23年度から検討し、平成24年度に調達、平成24年度および平成25年度において導入作業を実施しました。
業務範囲としては「個人市・県民税、法人市民税、事業所税、軽自動車税、固定資産税・都市計画税、共通宛名、収納管理、滞納管理、国民健康保険(賦課、資格管理、給付管理)」となり、所沢市様の基幹系システムオープン化の最後にして、最大のプロジェクトとなりました。

導入の背景

システムの検討にあたっては、「汎用ホストコンピュータに多くを依存している状況においては、特定ベンダとの随意契約にならざるを得ないことから、競争性が阻害され、導入経費・運用経費とも高止まりの傾向にありました。さらに、需要減少による汎用ホストコンピュータの価格上昇、COBOL技術者の減少による運用経費の上昇が生じてくることが考えられました。また所沢市の情報システムは、各業務の実態に合わせてそれぞれ独自に整備・運用されており、部分最適は実現されましたが、業務やシステム全体の見直しが不十分でした。今回の最適化にあたり、汎用ホストコンピュータの利用を廃止し、データの一元管理を行い業務間の連携が容易なアプリケーションとするとともに、業務継続性を一層向上させた効果的なシステムの更新を目指しました。」(堀田様)
堀田様は調達および導入作業当時には、IT推進課において最適化計画の推進を図る立場として、税系システムの再構築に携わられていました。

さらに、税系業務の特性を考慮したシステム調達という観点から、「社会情勢の変化により、税制についても抜本的な改革が進められる中、特にマイナンバーへの対応を見据えて法制度改正へ柔軟な対応が可能なシステムの調達が必要でした。」(肥沼様)
システム利用部門としての利便性向上も意識し、「ホストコンピュータでのオンライン稼働時間の制約についても解消し、利用したい時に利用できるシステムであることを税系システム利用部門としては望んでいました。」(植竹様)

  • 所沢市 財務部 市民税課 課長 肥沼 位昌 様
  • 所沢市 財務部 市民税課 植竹 史治 様
  • 所沢市 財務部 市民税課 堀田 秀聡 様

導入の経緯

システム導入にあたって、検討から入替まで複数年度のプロジェクトを運営されてきた所沢市様ですが、「平成23年度からの検討段階において15社程度に情報提供依頼を実施し、うち6社から回答を得て本格的な機能要件等の検討に入りました。基本的な機能要件や、現在の課題に沿って各業務で重視する機能といったものを取りまとめて仕様書として取りまとめました。この仕様書の取りまとめが各担当課が一番悩んだポイントではないでしょうか。欲しい機能を盛り込みすぎることも価格高騰につながるし、かといって重視したいポイントを外すこともできないし、全業務でレベルを合わせていくことにパワーを費やしました。」(植竹様)

さらにシステムベンダーの選定にあたっては、「平成24年度のシステム調達時には、価格のみの評価ではなく、品質面や体制面で不安がないか、また各業務における機能面等についてプロポーザル形式で評価を行いました。これによって各業務で重視するポイントを評価することができましたし、価格面でも納得する結果になったと思います。」(植竹様)
今回の事業はシステム導入を実施するだけではなく、これまでのホストコンピュータによる運用形態を転換することから、各業務において様々な見直しが発生しています。「例えば、庁内で実施していた大量出力をアウトソーシングしていくことも必要となりました。これまでノウハウがない部分でしたが、印刷事業者からお話を伺ったり、Acrocityソリューションズにも確認をとっていき、システム導入と並行してプリントアウトソーシング事業を実施しました。これによって職員の封入、抜取りといった作業の削減や、処理の機械化による誤封入防止が図られました。」(植竹様)
「また今回の事業では、クラウド化の取り組みがコンピュータ業界全体で進められる中で、所沢市でも庁内におけるクラウド環境(仮想サーバ)を構築しており、税系システムもその環境を利用していくことを前提に進めました。」(堀田様)

導入の効果

システム導入においては、事業所税業務への対応や、膨大なデータ量を踏まえた事務運用の確立など、人口30万人を超える特例市ならではの苦労もありました。
「導入プロジェクトにおける事務局を当課で担当していましたが、共通課題の調整やシステム稼働環境整備など、本来業務とシステム利用部門としての導入打合せや確認作業に加えて事務局としての作業をこなしていくことに、当初は不安を抱えていました。プロジェクト開始後から、作業スペースの確保や旧データの抽出タイミング調整、パソコン等の調達など、これまではシステム利用部門で実施してこなかった作業に、実際戸惑いました。」(植竹様)
導入時の苦労をこれからのシステム運用に活かしていくことも検討されています。「各担当者が責任を持って業務ごとの課題解決を図ったことや、ワーキンググループにおいて事業者とシステム運用イメージをしっかりとすり合わせできたことで、作業の手戻りや大きな問題点が発生することなくプロジェクトを進めることができました。時間的な制約もある作業であり、ミスの許されない税系業務の特性において、当市および事業者が高い意識を持ってプロジェクトに臨んでいたと思います。今後しっかりした検証が必要となりますが、今回の事業の目的であったコスト低減や業務継続性の向上、法改正への柔軟な対応については、現時点でも効果が認められます。今後もこの効果を継続しさらに拡大できるよう、各自が当初の目的を忘れないように心がけていきたいと考えています。そのための取り組みの一環として、導入プロジェクトにおける事務局の形態を引き継ぎ、運用プロジェクトとして年度ごとに各担当課が持ち回りで事務局を担っていくこととしています。」(肥沼様)

将来の展望

平成27年7月現在、初回の当初課税を完了させ、一息つく暇もなくマイナンバーへの対応に集中しています。
「まずはマイナンバーへ安全かつ確実に対応していくことに重点を置いています。そのマイナンバー後に向けて様々な取り組みを検討しているところですが、コンビニにおける証明発行や収納方法の多様化など全国的なトレンドも研究を進めています。また、現状に満足することなく継続した事務改善に努めていくため、Acrocityソリューションズの方にも積極的に提案していただき、一緒に議論しながらより良いシステム運用を作り上げていきたいと考えています。お互い良きパートナーとして切磋琢磨していきたいですね。」(肥沼様)

市役所の方々

(注)記載しております職名等の情報につきましては、2015年7月現在のものです。