導入事例

自治体紹介

大村市は、長崎県の中央に位置し、東は多良岳県立公園、西は大村湾を望む自然豊かな市です。また、長崎空港があることから、長崎県の玄関口としての面も併せ持っています。人口は9万4千人と中規模ではありますが、着実に人口が増加しています。県央地区に位置しており、長崎市・佐世保市へのアクセスも良くベッドタウンとしての一面もあり、新興住宅地や大型マンションの開発が進められています。

大村市ホームページ : http://www.city.omura.nagasaki.jp/index.html

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背景

大村市の電算部門は、若手職員6名が招集され昭和51年に発足しました。当時はメーカーの研修を受講しながら、手書きのフローチャートを作成し、独自でシステムを開発していました。一部は地場ベンダーのサポートにより運用・保守を行っていました。平成元年に汎用機の基幹系システムであるATOMS(アトムズ)の運用が開始されたため、行政システム九州社とのお付き合いは30年弱になります。
ATOMS(アトムズ)は、大村市の職員にとって合理的な運用ができるシステムであり、平成27年6月まで何不自由なく稼働していました。しかし、総務省が推進する自治体クラウドやオープン化の流れ、全庁的にシステム改修が必要となる番号制度のスタートを契機に、Web型のパッケージシステムであるAcrocity(アクロシティ)へ移行することになりました。
他自治体の導入状況について情報収集したところ、福岡県飯塚市を中心とする北部九州情報化推進協議会では、Acrocity(アクロシティ)をベースにしたクラウドによるシステム共同利用が行われていました。基幹系システム運用における業務標準化に取り組み、更なる経費節減及び業務効率化を目指していることに賛同し参加しました。

  • 大村市 情報推進課 課長 毛利 友一 様
  • 大村市 情報推進課 課長補佐 辻 龍彦 様
  • 大村市 様情報推進課 東 賢一 様

システム導入で苦労されたこと

システム導入で一番苦労するのはデータ移行の検証作業と聞きますが、その点で大きな負担はありませんでした。要件定義と操作研修の調整で苦労しました。

要件定義のすり合わせ

原課職員に運用を見直すことを前提に導入作業に臨みましたが、標準パッケージ機能と北部九州情報化推進協議会の仕様に運用を切り替えることに苦労しました。実際に他自治体で運用されていることをイメージできず、直接その自治体を視察して運用の流れを確認しました。
運用を見直した点も多々あり効率的に運用できていますが、一部はパッケージの運用にフィットできないものもありました。他自治体よりも大村市の運用が優れていると感じる点もあり、自らが運用していないものを理解し切り替えるには勇気が必要でした。

操作研修のスケジュール調整

操作研修を1月~3月に実施しましたが、税務課の申告対応期間と重なったため、スケジュール調整に苦労しました。時間調整ができなかった原課職員には、操作研修の録画を公開し、自己学習に努めました。不明点は、課内で操作を教え合いながらシステム運用を習得しました。

システム導入の効果

経費の削減

電算部門から原課職員主導の運用にシフトしています。パッケージ標準運用を示した業務フローをベースに、運用スケジュールやパラメータを明確にし、徐々に引き継いでいる最中です。汎用機の時は、3名の常駐SEを中心に運用・保守していましたが、段階的に人数を減らす計画を立てています。
運用は、バッチ運用の作業切り分けに着手しています。原課職員主導で日次・月次のバッチを処理していますが、これからは年次・当初課税についても電算部門から引き継ぐ予定です。さらに、プリンティングも電算室で大量出力していますが、用紙のセッティングから出力オペレーションおよび後処理まで原課に移管する予定としています。保守は、常駐SEによるサポートを受けていましたが、今ではクラウドサービスセンター側で対応されています。これらにより、常駐SEの人数を削減でき運用を原課職員に移管したことで費用を削減することに成功しています。

クラウド移行によるカスタマイズ削減

ATOMS(アトムズ)では、原課運用の目線で独自カスタマイズを施し運用を確立していました。Acrocity(アクロシティ)に切り替える際、大幅にカスタマイズを削減できましたが、県や市の独自仕様が一部残り、プリンティングや裁断機および封入封緘機の仕様によるカスタマイズが発生しました。一部対象外の案件もありますが、パッケージ標準機能に合わせることで概ね原課職員の作業量を減らすことができています。

クラウド利用契約

オンプレミスでは、業務委託・使用料・保守料・リース料など複数契約を締結し、その事務量が膨大でした。クラウドでは、サービス利用料契約一本となったため、年度末の事務負担が大幅に軽減されました。

展望

職員主導の運用

目指すは、原課職員のみでデータを抽出して帳票を作成できる自部門完結型の運用です。大村市のEUC対応は、原課職員と電算部門でデータを抽出し、電算部門で帳票を作成する流れとなっています。他課のデータを取り扱う場合は検討しなければなりませんが、原課職員主導で完結するEUCを実現したいと考えています。
ATOMS(アトムズ)よりデータを抽出しやすくなったため、データを加工し流用する職員が増えてきました。しかし、処理過程のブラックボックス化による、職員の業務スキルの低下を心配しています。パッケージから出力されるデータや数値を転記するだけの作業となり、それが正しいのか判断できないまま流用している職員もいないとは限りません。
電算部門やSEのサポートがなくとも、法やデータを理解できる職員を育てなければなりませんが、そのためにはAcrocity(アクロシティ)の成長が欠かせないと考えています。

要望

機能を強化するためのルート

共にAcrocity(アクロシティ)を成長させるため、職員からの気づきやアイディアをもっと吸収し、早いスピードで展開できる仕組みを確立してほしいと思っています。そのために、これらの意見をジャッジする業務SEの成長を望んでいます。
業務に特化したベンダーは、職員よりも業務に詳しく運用のあるべき姿を描いています。北部九州情報化推進協議会の業務機能は充実しつつありますが、標準パッケージ機能へスムーズに昇格できていません。人口10万人レンジの自治体用に機能を取捨選択し、もっと迅速な事務処理や正確性を確保するための機能をラインナップしてほしいと思っています。標準パッケージ機能が充実すれば、顧客数も倍以上に増加すると期待しています。完璧なAcrocity(アクロシティ)へ成長するためには、職員に業務レクチャーできる業務スキルに長けたSEが欠かせないと考えています。

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(中央)課長 毛利様
ポリシーをもって仕事に取り組まれ、その熱い思いを語っていただきました。
(左側)課長補佐 辻様
導入後に電算部門へ赴任されましたが、業務標準化に向けた庁内調整などの取りまとめをしていただいています。
(右側)東様
導入時から原課と当社の橋渡し役に徹し、一番動いていただいたキーマンです。