導入事例

 

自治体紹介

 高知県の中部に位置し、県庁所在地の高知市に隣接する副県都南国市は、高知県の空の玄関高知龍馬空港や、高知自動車道南国インターチェンジを擁しており、市の中心部にはJRやごめんなはり線、高知市内へ向かう路面電車が走るなど、交通の要衝となっています。

 歴史は古く、市内には弥生時代の大集落が点在しています。古今和歌集の選者も務めた王朝屈指の歌人、紀貫之が第48代土佐国司として南国市比江の地に4年間住み、国司として優れた統治を行いました。民に慕われ、帰京の際は多くの人が別れを惜しんだといいます。戦国期には四国を統一した土佐の戦国武将、長宗我部元親が岡豊(おこう)に居城を構え、戦国時代まで土佐の政治の中心として栄えました。幕末期に薩長同盟の成立に尽力し明治維新に大きく関与した坂本龍馬のルーツもこの地であり、歴史好きにはたまらない土地です。
 
 シシトウやオクラ、四方竹といった全国的に高いシェアを誇る農産物や、海に目を向ければ土佐湾で獲れたしらす(イワシの稚魚)を加工したちりめんじゃこの他、どろめ(生しらす)は産地ならではの珍味として人気があります。オフィスパークへのIT関係企業の誘致、2003年には地震メカニズムの研究やメタンハイドレードなどの研究を行う高知大学海洋コアセンターが設立され、400年の歴史を持つ伝統工芸品である土佐打刃物、世界的シェアを誇る猟銃メーカーがあり、世界的フィギュアメーカーである海洋堂と地域振興連携協定を締結するなど、経済的にも学術的にも活動が盛んであり、多くの魅力をもつ「土佐のまほろば」です。
※まほろば=すばらしい場所

南国市のホームページ : http://www.city.nankoku.lg.jp

取組み概要

 平成25年に番号法が制定され、平成28年1月の番号制度の運用開始に向けて全国で取組みが始まりました。個人番号の適切な利用を行うために、自治体において条例改正や個人番号の利用検討、庁内での情報連携の再確認、特定個人情報保護評価(以下、「PIA」という。)の実施、個人番号対応のためのシステム改修などが行われました。南国市は一般財団法人全国地域情報化推進協会(以下、「APPLIC」という。)主催の、地域情報プラットフォーム(以下、「地プラ」という。)を利用してマイナンバー条例を効率的かつ正確に制定するための検討会に参加し、自治体内の情報連携の的確な把握という課題解決に向けて、事務の根拠法令の整理、業務フローの整備、主務省令の確認、独自利用業務の洗出し、庁内での情報連携の確認を、地プラを基にして検討会で作成した「地プラ連携確認シート」を利用して行いました。「地プラ連携確認シートの利用によって、庁内事務や庁内連携をフロー化し見える化することができ、条例整備やPIAの対応を効率良く正確に進めることができました。」(崎山様)

ごめんえきお君

四国旅客鉄道・土佐くろしお鉄道
後免駅「ごめん えきお君」
(やなせたかし氏デザイン)

マイナンバー条例の検討会への参加の理由

 個人番号の利用検討、庁内での情報連携の再確認、個人情報保護評価、個人番号対応のためのシステムの改修など、番号制度開始に当たり自治体が対応しなければならない膨大な事務、その中でもマイナンバー条例は、対応に抜かりがあると住民向けのサービスに支障が出る可能性がありました。「地プラの利用についてはAPPLICの研修会で事前に説明があったのですが、実際に自分たちだけで活用するのは難しいと考えていました。そういった状況の中、規模と導入システムが異なる4自治体のシステム担当者と法務担当者、APPLICの地プラ担当者、番号制度とシステムに精通した専門家が検討会に参加するということもあり、効率的に庁内事務や庁内連携の整備を進めることができるのではないかと考えました。APPLICに相談したり助言をいただきながら対応を進めることで、庁内のマイナンバーに関する役割分担を明確にし、関係部門、また住民情報システムのベンダーである四国行政システムの担当者と連携しながら取り組むことで、各種整備を円滑に進めることができました。」(崎山様)

地プラ連携確認シート作成の背景

 番号制度が始まり国民に一意の番号が付番されることで、個人の認証が容易にできたり個人に紐づく情報の連携による事務手続の簡略化などが期待されますが、利便性の向上とともにこれまで以上に個人情報保護対策が求められるようになりました。「自治体においてPIAの実施が義務付けられ、各種事務手続の整理や評価をすることになりましたが、番号法などを確認していく中でそれらの対応を疎かにすると今までできていた事務ができなくなるのではないかという危機感を持つようになりました。また、これまで住民は自分の情報が自治体のどこでどのように使われているのかを意識しているわけではなく、自治体側も住民に見える化していませんでした。この状況を変えていこうというのが番号制度ではないかと捉え、庁内で個人情報がどのように利用されているかを洗い出すために地プラ連携確認シートを利用しました。」(崎山様)

地プラ連携シートは次のページから確認できます。
(下記URLにアクセスし、「自治体の実例でわかるマイナンバー条例対応の実務」をクリックしてください。)
http://www.applic.or.jp/archives/info/info-4692

どもたちの水難除けを祈るエンコウ祭り

100年以上の歴史がある
子どもたちの水難除けを祈る
エンコウ祭り

苦労した点

 地プラ連携確認シートを作成するに当たり、各業務を進めていく工程でどのような情報を庁内連携で利用しているのかを確認シートを使って調査しましたが、そこには多くの苦労もありました。「業務主管課から確認シートへの回答はありましたが、本当にその内容で合っているのか・漏れがないのかが分からなかったため、不明点を一人ひとつヒアリングしました。ヒアリングをすればするほど漏れが出てきたり、その事務を行う上での根拠法令が曖昧といった状況もあり、何時間も法務担当と一緒に業務主管課にヒアリングを実施し、事前に作成していた事務手続のフロー図と突き合わせて確認するなど、庁内での情報連携について漏れや抜けがないように調査を進めていきました。また、業務システム間のデータ連携については、システムがどのようにデータアクセスをしているかを把握する必要がありますが、これは職員が意識していない部分だったので、システムベンダーの四国行政システムの担当者にも手厚く支援をしていただきました。職員とシステムベンダーとが共同で作業を進められたことは、大変ありがたかったです。システム開発元の皆さんにも多くのご協力をいただきました。」(崎山様)

効果・気付き点

 庁内で個人情報がどのように利用されているかを明確にするため地プラ連携確認シートを利用しましたが、それによって気付いた点もありました。「地プラ連携確認シートを仕上げてみて、業務主管課でも認識していなかった情報連携があることに気付きました。担当職員が直接情報を取得していれば認識はありますが、システム間で自動連携している場合は情報を利用しているということを意識していない場合が多いものです。また、各種事務手続における根拠法令についても上位法にあるから良いという認識ではなく、条例が必要なものはないか改めて見直す機会となりました。今回、地プラ連携確認シートに先立ち事務フロー図なども整備したのですが、事務フロー図と地プラ連携確認シートを比較することで事務の改善にもつながるのではと考えており、担当職員にとっても業務を再確認する良い機会だったと思います。」(崎山様)

今後の展望

 現在、国においてマイナンバーカードを利用した住民の利便性向上のためのロードマップが示されており、広告を使った周知活動も頻繁に行われています。「今後、マイナンバーカードの利用を更に活性化していく必要がありますが、住民からはマイナンバーカードを持っていても使い道がないという声が多く上がります。マイナンバーカードを持つことで生活がより便利になるようにしていく必要があります。」(崎山様)

 南国市としてどのような取組みを考えているのでしょうか。「図書カードや印鑑登録証など、自治体にも複数のカードがあります。これらを統合しマイナンバーカード1枚持てば自治体の各種サービスを受けることができるようにしたり、ボランティアポイントや健康ポイントなどを便利に利用していただくことにマイナンバーカードが利用できればと考えています。また、住民の情報、特に健康に関する情報を活用することで住民一人ひとりに適切なサービスを提供することができるのではないでしょうか。高知県では南海トラフ地震の発生が確実視されていますが、災害が発生した際に避難者の情報を把握したり、被災された方のお薬の情報などを確認することにも利用できると考えており、時間はかかりますが、一歩ずつ環境を整えていきたいと思っています。足掛かりとして、母子手帳の情報や育児日記、自治体からのお知らせなどが管理できる母子健康情報サービスの運用を開始しています。」(崎山様)

 マイナンバーカードにより個人に紐づくデータが効率的に利用できるようになるのでしょうか。「医療費の適正化は南国市でも大きな課題です。まだ先の話にはなりますが、将来的には住民が自分の健康に関する情報を自分で管理し、その情報を個人の同意のもとに各機関が適切に利用できるようになれば、必要なサービスを効率的に提供できます。また、集まったデータを分析することで、どのようなアプローチをすれば医療費の削減ができるかということにも繋げていきたいと考えています。個人番号やマイナンバーカードはこのようなことに利用できる可能性があることをもっと多くの皆さんに理解していただき、住民サービスの更なる充実を目指していきたいと思います。」(崎山様)

  • 地プラ連携確認シート作成の取組みやご苦労された点、
    住民の未来像や自治体の目指すべき姿など
    熱い思いを丁寧にお話しいただきました。

  • 国府の碑
  • 鳥居杉
  • テクノ高知
  • 南国市航空写真
国府の碑 鳥居杉 テクノ高知工業団地 南国市航空写真

(注)記載している職名等は2018年8月現在のものです。