導入事例

那覇市 基幹系システム再構築(AcrocityV3)

自治体紹介

 那覇市は、沖縄県の県都として、人口32万人余を有する政治・経済・文化の中心地です。また首里台地(標高165m)から東シナ海に面して、ゆるやかに傾斜した平野部を背景に、古くから港が整備されるなど、海外との交流拠点として「琉球王国」文化が華ひらいた街です。気候的には、暖かい黒潮の影響もあって、冬でも暖かく、夏は四方の海から吹く風が吹き抜ける、年間の平均気温差が少ない、すごしやすい土地です。先のアジア太平洋戦争末期の沖縄戦では街は焦土と化しましたが、1972年の日本復帰を経て、多くの県民市民の努力と協力によって、現在の那覇市へと発展してきました。21世紀を迎え、2018年(平成30年)に制定された第5次総合計画「なはで暮らし、働き、育てよう!笑顔広がる元気なまちNAHA~みんなでつなごう市民力~」に沿って、沖縄都市モノレール・中心市街地及び新都心地区を核としたまちづくりを展開しています。

 総面積:39.99平方キロメートル
 総人口:320,920人(令和2年8月31日時点)
 世帯数:155,423世帯(令和2年8月31日時点)

那覇市のホームページ : https://www.city.naha.okinawa.jp/index.html

基幹系システム再構築の背景

 那覇市の住民情報等を扱う基幹系システムは、平成19年12月の再構築事業を皮切りにメインフレームからパッケージシステムに刷新しました。更に平成27年2月の最適化事業により、システム全体最適化やカスタマイズ抑制方針の下でシステムの再構築を行い、複数事業者のパッケージシステムが稼働していました。令和2年1月に基幹系システムの契約満了を迎えるに当たって、それを機会にシステムの再構築を実施しました。システムの再構築においては、より効率的で継続性のある安定的業務運用の達成を目指し、またシステム全体最適化やカスタマイズ抑制の方針は踏襲しつつ、那覇市の業務処理への適合性、操作性、運用性の向上、機能の拡充、システム構築・運用管理コストの抑制、システム構築・運用に係る職員の作業負担軽減等も図ることとしました。
 今回は、この平成30年12月から令和2年2月までのAcrocityV3導入プロジェクト及び稼働後の現状についてお聞きしました。


  • 那覇市 情報政策課
    比嘉 義司 様

  • 那覇市 市民税課
    髙良 友博 様

システム再構築において苦労された点

 まず、導入計画段階においては、複数の業務区分を同時に導入する大規模プロジェクトであったため、計画の組立てから気を遣うことが多かったということです。「一番規模の大きな住民情報をはじめ、基幹系システムとして稼働している業務を12の区分に分割して調達しました。それらを、横並びで同時に遂行していくため、様々な調整事項がありました。こういった調整事項や不明点などは沖縄行政システム(以下、「OGS」という。)に頻繁に問合せをし、きちんとお答えいただきました。」(比嘉様)
 要件定義工程においては、カスタマイズ抑制方針の下、要件を整理していく際に苦労されたとのこと。「業務によってばらつきはありますが相当数の確認事項がありました。特に、カスタマイズしているものをパッケージに戻すことで、業務にどういった影響が出るのかを確認しながら整理していくことに神経を使いました。ただ、疑問点が出ても、遅くても次の要件協議の際にはお答えしてもらい、疑問点をすぐに解消していくことができました。前回協議時の資料も準備して一緒に確認していけたのも助かりましたね。」(髙良様) 「業務全体を見渡す必要のある情報政策課としては、全ての要件を確認していくのは難しかったですが、OGSさんは定例会で確実に進捗を共有していただけたので、管理も上手くいきました。」(比嘉様)
 データ移行やテスト、操作研修の工程において苦労された点も挙げていただきました。「データセンターの環境も同時に切替えを予定していましたが、数か月前に切替えテストを実施したため、本番切替えに安心して臨むことができました。」(比嘉様) 「データ移行では、原課部門でテスト機を使って検証しました。確認する作業自体はありましたが、大きな負担にはならず必要最小限でスムーズに移行ができました。操作研修については、細かな説明をしてもらい、大変分かりやすかったですね。旧システムから大きなインタフェースの変更がなかったのも、操作を覚える上では助かりました。」(髙良様)
 本番切替えにおいては、複数の業務区分を並行する上での苦労があったとのこと。「本稼働前に帳票様式変更の影響で、過年度と現年度の印字位置ずれが発見されました。幸いにも切替え前に気付いて修正したため、問題は発生しませんでした。」(髙良様)「複数業務を一斉に切替えるということで、特にシステム間のデータ連携には慎重になりました。稼働して一週間くらいは気を抜けなかったですね。一部認証システムでの不具合はありましたが、業務に影響するようなものはなく、上手くいって良かったです。」(比嘉様)

システム再構築の効果

 システム再構築から半年以上が経過し、繁忙期も乗り切りました。今年はコロナ禍により業務面で非常にご苦労されたとのことですが、現在までに実感しているシステム再構築の効果もお聞きしました。「今回の再構築で新たなカスタマイズは発生しませんでした。これにより、導入時のコストが増大することはありませんでした。また、運用コストも狙いどおり旧来よりも削減できたと思います。」(比嘉様)「データ抽出機能が非常に有効ですね。要件定義の際に必要なデータ抽出条件を相談したのですが、それを据え付けていただけたので、欲しい情報が自分たちですぐに抽出できるようになりました。また、バッチ処理で作成した帳票は、そのCSVデータを同時に取得できるようになりました。事務負担の軽減につながっていると思います。」(髙良様)

今後の展望

 今後の展望や新たな取組についてもお話しいただきました。「市民税課では、RPAとAI-OCRをテスト的に使用しています。本格的な運用まではまだ時間がかかりますが、なるべく事務負担が軽減されるように、様々な検証を行っています。」(髙良様)「国の標準化の流れを注視しています。今後は、国の標準仕様に沿ったシステムがAcrocityに実装されると思いますが、当市のシステム運用にどのような影響があるかが気になります。また、まだまだ手探りの状態ですが、新型コロナウイルスの影響により、リモートワークも検討を始めています。個人情報の取扱いにも配慮し、慎重に検討を進めています。」(比嘉様)


那覇市役所本庁舎正面玄関前のシーサーとともに


  • 那覇ハーリー
    豊漁や海の安全を祈願して
    沖縄で古くから行われている祭り

  • まぐろ
    那覇市の市魚に指定されており
    沖縄県内の約半数が
    那覇市で水揚げされている


  • 那覇大綱挽
    琉球王朝時代を起源とする伝統行事

  • 金城町石畳
    約500年前に造られた首里城から続く
    長さ300mの石畳の道


  • 識名園
    ユネスコ世界遺産に登録された
    琉球王家最大の別邸

  • 琉球王朝祭り首里
    琉球王朝時代の古式行列や旗頭
    獅子演舞等の伝統文化を再現した祭り

(注)記載している職名等の情報については、令和2年9月現在のものです。