導入事例

八女市 住民情報分析システム(Acrocity×BI)導入

自治体紹介

 八女市は福岡県の南部、福岡市から南へ約50キロメートルに位置し、北は久留米市、広川町、西は筑後市、南は熊本県、東は大分県に接しています。面積は39.34平方キロメートルから平成22年の近隣2町2村との合併後482.44平方キロメートルとなり、総面積県内2位となりました。中南部は平野、北東部は森林で占められている中核都市です。市の中央部を国道3号線が南北に、国道442号が東西に走り、西端には九州縦貫自動車道が通じ、八女インターチェンジがあります。豊かな大地に育まれ、古代から栄え、八女丘陵には岩戸山古墳をはじめ多くの古墳があります。また手すき和紙・仏壇・提灯などの伝統工芸品や茶・電照菊・椎茸などの農産物も自慢のひとつです。

 総面積:482.44平方キロメートル
 総人口:61,524人(令和3年8月31日時点)
 世帯数:25,280世帯(令和3年8月31日時点)

八女市のホームページ : https://www.city.yame.fukuoka.jp/

※引用『八女観光オフィシャルサイト_茶のくに八女・奥八女(https://yame.travel/access/)』

 今回、八女市のAcrocity×BI導入の中心メンバーである総務課情報管理係の中石様にお話を伺いました。

八女市 総務課 情報管理係
中石 義裕 様

検討の背景と導入目的

 八女市ではこれまで、データを分析する場合に、その都度思い付きで必要だと思ったデータを情報管理係に依頼してデータ抽出するか、各課に確認をして情報を集めて自力でデータ化したりグラフを作成することが多かったとのことです。結果として、データを集めるところで終わってしまい、何も分析できていない状態が慢性化していました。
「データ収集とグラフ作成の作業に多大な労力をかけ、そこから先にある“分析”という作業に行き着かずに『こういう情報が集まりました』という報告で止まっていました。」 また、議会での一般質問の対応においても、業務時間外に残業して、急ぎでデータや資料を掻き集めることが多かったとのことです。
「システム導入検討時には、働き方改革への対策という課題もありました。データ収集・グラフ作成に多くの労力がかかっている現状を改善し、職員が本当に必要な業務に時間を充てることを考えました。本来注力すべきである分析(気づきを得てアクションを起こす)という次の段階にシフトしていくためにAcrocity×BIが必要でした。また、RESASで取り扱う国勢調査等のデータでは、スパンが長く、実際の分析にはもう少し細かなデータが必要であったため、より細かな住民情報データを利用した上でデータを一元的に確認できる環境が必要と考え、Acrocity×BIの導入を決定しました。」

システム導入において注意した点

 庁内にEBPM(Evidence-Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)という考え方を浸透させる必要があるため、導入時も稼働後もデータを使って考えるという習慣を職員に身に付けてもらうことが継続的な課題と考えられています。
「八女市では市民アンケートで得られた情報を基に、その要望に応えるようなかたちで政策を立てています。データ収集・グラフ作成で力尽きることが多く、職員のほとんどがデータ分析をする習慣がありませんでした。役所は提示するデータが正確でなければならないという考えがあり、根拠は何なのか、別の統計データと合っていなければならないといった指摘をもらうことがあります。これは、データ分析に慣れていないためだと考えています。分析はあくまでも傾向を測ることが目的であり、数字を合わせることが目的ではないということを理解できる風土に変える必要があると思っています。」

導入効果

 システムを導入したことによる効果をお話しいただきました。
「情報管理係では、分析のためのデータ抽出を各課から依頼される件数が減ったため、作業負荷軽減につながっています。また、Acrocity×BIと一緒に提供されているRESASviewer(RESASのデータをLGWAN端末で見られる)機能が使いやすく、これまで以上にRESASのデータを閲覧するようになりました。」
 また、データ自体の見方も変わってきたようです。
「Acrocity×BIを導入したことで、これまではデータを主観的に分析するだけでしたが、複数のデータを見比べることでより細かい気付きを得ることができ、より深く客観的にデータを分析できるようになりました。思い込みや経験則だけではないやり方なので、本質的な課題を発見できると思います。」

<Acrocity×BI画面> ※画面のデータはサンプルです。

カテゴリを選択し、必要なデータに迷うことなくアクセスできる。


複数のグラフを同時に表示でき、様々な気付きを得られる。

<RESAS viewer画面> ※画面のデータはサンプルです。


RESASのデータを市町村に特化し、使いやすさ・分かりやすさを追求した機能となっている。

今後の展望について

 今後の展望についても語っていただきました。
「八女市の人口は、平成24年度から中山間部地域を中心に減少を続けています。市としての人口流出に歯止めがかかっておらず、過疎・高齢化が進んでいる状態ですが、近隣の自治体においては、逆に若年層の転出を中心に抑えることができている事例もあります。こういったことから、Acrocity×BIで分析し、定住促進の施策に繋げていきたいと考えています。利用している職員だけではなく全職員にデータ活用の有効性を認識してもらうために、それぞれが分析で欲しいと思うデータを組み込んでいく必要があります。また、データ分析に関する人材育成も推進していくことも大事だと考えています。」
 最後に将来的な構想もお話しいただきました。
「住民の方々と共に地域課題を解決していくためのプラットフォームを作っていく必要があるため、そのベースとしてAcrocity×BIを活用していきたいと考えています。今は庁内での内部利用が中心ですが、このデータ分析が最終的にオープンデータに繋がると考えています。将来的には民間企業や住民の方が、そのオープンデータを簡単に確認したり、利用したりできるようになることで、様々な関係者を巻き込んだ地域づくりの良い循環が生まれることを目指しています。」
 自治体のDX推進が求められる中で、いち早くEBPMに着手し、Acrocity×BIでデータに基づく地域づくりを推進する八女市の取組から今後も目が離せません。


八女福島の町並みとともに


  • 八女茶
    日本有数の高級茶産地として全国的に有名

  • 黒木の大藤
    樹齢600年以上の長寿の藤で
    国の天然記念物にも指定されている


  • 八女福島の白壁の町並み
    旧往還道路沿いに連なる商家的な色彩と
    職人の工房的な色彩を併せ持った
    伝統様式の建物群

  • 星の文化館
    九州最大100cm反射望遠鏡と
    65cm反射望遠鏡のツインドーム構造を
    持ち、宿泊も可能な天文台を擁する施設


  • 八女津媛(やめつひめ)神社
    八女の地名のもとともなった女神を祀った
    1300年の歴史があるとされる神社

  • 矢部屋許斐(このみ)本家
    「八女茶」を名付けた九州最古の茶商
    であるこのみ園店内にはお茶の審査場
    だった部屋がある

(注)記載している職名等の情報については、令和3年11月現在のものです。